最近、「断食ダイエット」なるものが少し流行っていると聞きました。
アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅさんが「3日間断食した」なんていうニュースも目にしました。
断食という考えは、イスラム教の教えが元になっています。
でも、ラマダンが断食という意味だと誤解してる人や断食とはずっと食べ物を口にしない、と思っている人がいるようです。
今回は、イスラム教の国、インドネシアを訪れた時に僕が知ったこと、経験したことを紹介します!
そもそもラマダンってなに?
「ラマダン」と聞いて、断食を思い浮かべる人は多いと思います。
しかし、「ラマダン」とは、イスラム暦の第9月の名前なんです。
僕たち日本人の和暦でいう「長月」のようなもの。
つまり、ラマダンとはその1ヶ月間のことを指す言葉なんですね。
そしてラマダン中に行われる行為の1つに「断食(ファスティング)」があります。
断食ってどうするの?
断食と聞くと、ある一定期間、飲食物を一切摂らない、というイメージがありますよね。
でも実際は、みんな毎日食事をします。
1ヶ月間何も食べないなんて不可能です。普通に死んじゃいます(笑)
断食とは、日の出から日の入りまでの間、飲食を断つ行為のことを言います。
ここで、僕が見たラマダンのイスラム教徒の生活を少し紹介します。
僕はインドネシアの現地の人たちの家に泊まり歩いて旅をしていたので、ラマダンの間、彼らがどのように生活するのか間近でみることができました。
多くの人はまず、日の出前の午前3時半ごろに1度起きます。
そして朝食を食べます。日が出ていないので、なんの問題もありません。
4時半ごろ日が出はじめると、断食開始です。
日が沈むまでは、一切飲食せずに生活します。
働いてる人は、いつも通り仕事へ。学生は、いつも通り学校へ。
そして夕方6時ごろになり、日が沈むと、断食を終える食事をとります。
これを英語で「ブレークファスティング(断食を破る)」と呼びます。
ブレークファスティングの食事は、基本的に家族や友人とともにします。
またはモスクと呼ばれるイスラム教の礼拝堂でも行われます。
僕は、イスラム教の友人とともに、ジャカルタにあるイスティクラル・モスクと呼ばれる礼拝堂でブレークファスティングを行いました。
このモスクは世界最大のイスラム教モスクです。
500人ほどのイスラム教徒が床に座り食事をする光景は、圧巻でした。
なんで断食するの?
自制心を鍛えるため
イスラム教では、内面の欲求や感情をコントロールする大切さを説いています。
- 食欲や性欲を抑えられず、意図せず行動してしまう
- 苛立ったときに、すぐカッとなる
このようなことを避けるために、断食をします。
断食中、様々な欲求や感情にぶつかるので、それを乗り越えることで自制心を鍛えることができるというわけです。
実はこれ、かなりツラいです!
僕は1度断食しましたが、喉の渇きに耐えられずリアイアしてしまいました。(弱すぎ)
1ヶ月断食するには、そうとうな忍耐力が必要だと思います。
食べ物への感謝
人は食べ物がないと生きていけない、なんて誰でも知ってます。
でも、それを体験する機会は普段の生活にはめったにありません。
毎日ご飯を食べるとき、目の前の野菜に思いを巡らすことなんてありませんよね。
断食は、食べ物の大切さを、体験を通して実感できる素晴らしい機会です。
体の浄化
数百年前に比べると、僕たちの食文化はずいぶん変わりましたよね。
美味しいものが簡単に食べられる時代になりました。
でも、口にするものが偏ると健康を害します。
例えば、脂っこいものとか、塩辛いものとか。
断食には、こうした体に有害なものを断つという目的があります。
イスティクラル・モスクではブレークファスティング用にお弁当が配給されています。
中身は、焼き魚、野菜炒め、白米、豆、みかん、と非常に健康的です。
1ヶ月間断食することで、1年間体に溜まっていた毒素を取り除き、体内の状態をリセットすることができます。
いわゆる、デトックスというやつです。
ラマダンのときはみんな・・・
最後に1つ僕が驚いたラマダンのイスラム教徒の生活を紹介します。
ジャカルタでは、会社に勤めている人は5時ごろに退社するのが一般的らしいんですが、ラマダンの間だけは少し違います。
みんな3時とか4時に仕事を終えて家に帰るんです。
はやっ!!
僕がジャカルタを訪れていたとき、3時半ごろに帰宅ラッシュの渋滞が起こっていました。
日本だったら絶対に仕事が最優先ですけど、インドネシアでは宗教が最優先なんですよ。面白いですね。
おわりに
もしイスラム教に興味をお持ちでしたら、ぜひラマダンの間にイスラム教の国を訪れてみてください。
普段見れないイスラム文化を体験できると思います。
これを読んで断食をしてみようかと考えてる方に、少しアドバイスがあります。
できれば、断食を始める数日前から日中の食事量を少しずつ減らしましょう。
いきなり断食は体が驚きますし、しんどいだけです。
その上でまずは3日ほど実践してみてください。
短期間するだけでも、新しい発見が見つかると思います!