プリスクールとは3〜4歳が通う学校のことで、日本では幼稚園の年少から年中あたりの子供たちが集まります。
学期の開始は9月からで、冬休みと2週間、春休み1週間を挟んで大体5月中には1年が修了というサイクルです。
プリスクールといっても、私立、公立、規模、教育方針など、日本と同じく色々な違いはありますが、今回は私の体験をまじえて、あるプリスクールの1日をご紹介します。
油断は禁物!親の方が勉強になる授業内容
学期の初めに、1年の学習プログラムが配られました。3、4歳のクラスですから、アルファベット、数字、お絵かき、など初歩の初歩といった内容です。
1週間に1度、その週に学習したプリントを家に持ち帰ってくるので、私たち親はそこで何をしているのか把握できます。
アルファベット、数字、色、形などを1週間に1個ずつ学んでいる模様。
こちらとしては、全て英語とはいえ、このくらいならまだ余裕を持って子供に確認できます。
「この文字は何て読むの?」
「S !」
「この数字は?」
「One!」
「この形は?」
「Circle !」
このような感じで、内容も(自分にとっては)難しくないので、だんだん子供に聞くこともなくなりました。
そんなある日、久しぶりに聞いてみるかとたまっていたプリントを手にとり、あまり中身も見ずに問いかけました。
「この形は?」
「Trapezoid!」
「…じゃあ、この形は?」
「Octagon!」
…は?何それ?
恥ずかしながら、子供が軽々と口にする形の意味が分からないのです。
私は急いで、プリントに描いてある、手や足がついた可愛らしい形をしげしげと見つめました。
どうやらTrapezoidは台形、Octagonは8角形のようです。
私が勝手に簡単だと思って子供に確認していなかった間に、ついていけなくなっていたのは子供ではなく自分だったという情けなさ。
こんな小さな子供が、8角形とか、6角形とか、ひし形とか、覚える必要あるのかという逆ギレもむなしく、素直に自分が勉強になると認めざるを得ない授業内容でした。
パジャマで登校! 謎のイベントデー
アメリカらしい遊び心を感じるのが、毎週金曜のイベントデーです。
これは、学校が設定したテーマにそった格好をしていくという不思議な日なのです。
例えば、
「Stripe day」はしましま模様の何かを身につける。
「mixed up shoe day」は左右違う靴を履いて行く。
など、子供たちが楽しむためのアイディアなのでしょうか。
このようなイベントデーは、アメリカの学校ではかなり一般的なもののようです。
中でも、私が驚いたのは「Pajama day」です。
その名の通り、登校からお迎えまで1日中パジャマで過ごすという日です。
しかも、先生もパジャマなので、なんとも言えない雰囲気。
アメリカ人にとって「パジャマ」は何か特別な、楽しいものという認識があるのかもしれません。
これと並んで「パジャマパーティー」なるものも学校で開催されていました。
子供も朝起きて、また別のパジャマに着替えさせられたので、
「学校にいくのに、パジャマは恥ずかしいよ。」
と、抵抗していました。
が、学校にいくとみんなパジャマの上に、先生までパジャマで登場したために、
「先生もパジャマ!?」
と嬉しそうに叫んでいました。
よほどパジャマデーが楽しかったのか、その後もことあるごとに「パジャマで行く」と言われるのが少し面倒ですが、とにかく個人的には不思議でたまらない日だったのでした。
この給食は体にいいのか⁉
学校によりますが、今通っているところではお弁当持参でも「Hot Lunch」といわれる給食でも自由です。
ホットランチの場合は、前月に申し込みをするのですが、その際に1ヶ月のメニューが渡されます。
毎日、違うレストランから取り寄せているようなのですが、その内容がすごいのです。
- 月曜日:チーズバーガー、ポテトチップス、ジュース
- 火曜日:スパゲッティ、アイス、ジュース
など、日本では考えられないアメリカンな食事が並びます。
お迎えにいくと、ランチに出たアイスの色なのでしょう。
真っ青な舌で、笑いながら教室を飛び出してきた時は思わずのけぞってしまいました。
日本に一時帰国した際に体験入学した幼稚園では、毎日帰りに「にぼし」を食べるというくらい食育に力を入れていて感心したものです。
それが、こちらの学校では先生が帰り際に「ラムネ」を子供達に配っているのを見ると、アメリカと日本の食事に対する意識のあまりの違いに驚くしかありません。
それでも、大人になったらあれほど立派な体格に育つのですから、これもアメリカ七不思議のひとつです。
あとがき
アメリカの幼児教育というと、私たちはつい「英語」に目がいきがちですが、内実を知ると、言葉以上に文化の違いを感じます。
子供たちはその環境にすぐに慣れて、それなりに楽しめているようなので、子供の順応性の高さにも驚かされますが、せっかくの経験ですから、いい部分をたくさん吸収してほしいと思っています。