9年前にアメリカに来ることが決まった頃、ネイティブスピーカーとの会話を楽しむ自分の姿を想像して、「アメリカに行けば、いつか私もそんな風になれるんだろうなぁ」とのんきな期待をしていました。
ところが、実際にアメリカでの生活をはじめてみると、現実はそんなに甘いもんじゃない!!ということに気がつきました。
日本で勉強してきた英語はほとんど使い物にならないし、ネイティブスピーカーが言ってることは全然聞き取れない!!英会話を楽しむ自分の姿は遠のいていくばかりでした。
これでは悲しすぎる!なんとか日常英会話をマスターしたい!ネイティブスピーカーと話せるようになりたい!と奮起して、9年間、色々な勉強法を試してみました。
そんな経験を通じて得た、本当に日常英会話ができるようになるための勉強法を紹介したいと思います。
とにかく耳に英語を注ぎ込む
今でこそもう慣れましたが、アメリカに来た頃は、1日が終わってほっとすると、日本のドラマやバラエティー番組を見て、何も考えずにリラックスしたいなぁなんていう衝動によくかられました。
でも、そこでぐっと我慢。言ってることがなんだかよく分からなくても、旦那が横で笑ってるのに自分は笑えなくても、とにかく頑張ってアメリカのドラマやトークショーを見るようにしました。
テレビを見ているのにも関わらず、さらにストレスがたまるなんていう辛い時期もありましたが、この日々数時間英語に触れる時間が1年2年そして5年もすれば、大きな差になってきます。まさに塵も積もれば。。。というやつです。
家事やシャワー、運転をしている時などは、ラジオを聴くようにしていました。
とにかく、1分でも多く耳に英語を流し込む努力をしたのです。
リスニング力が伸びるのはもちろんですが、話題のドラマやニュースなど、ネイティブスピーカーとの共通の話題もできて、一石二鳥です。
言語設定を英語に
日常生活で使う機器の言語設定を英語に切り替えるのもいい方法だと思います。
最初は不便で仕方がないですが、その不便さを解消したいという気持ちが、いいモチベーションになります。
アメリカに来た頃、カーナビの音声を日本語に変えようと思ったのですが、すでにアメリカで10年以上くらしていた旦那から、早く慣れるために英語の音声を使ったほうがいいとアドバイスされました。
どこへ行くにもほぼ初めての道、日本とはちがうマイル表示、何より英語が分からない!!でも、分からないなんて言っていたら目的地には着けないし、下手したら家に帰ることもできません。
火事場のばか力効果とでもいうんでしょうか、緊張感によって、リスニング力がアップしたと思います。
iPhoneの言語設定も英語にしています。
私の発音がよくないせいで、Siriにはとんでもない聞き間違いをされたり、”Sorry, I couldn’t get what you said.”なんてピシャリと言われて、時々本気で傷つきますが、私のよき英会話のパートナーです。
街角でスキット・トレーニング
スキット・トレーニングやロールプレイ・トレーニングなんていう英会話の勉強法がありますよね。個人的には、単語を覚えたり、文法を勉強したりするよりも、実践的で、日常英会話を勉強するのにとても効果的だと思います。
それをさらに実践的にしたのが、私流「街角スキット・トレーニング」!!
実際に外に出て、ネイティブスピーカーとスキットを演じてみるのです。
スキットなので、だいたいの話の流れはこちらで想定しておきます。
例えば、ショッピングモールでトイレの場所を聞くという状況を設定をした場合、まずこちらからトイレの場所を聞きますよね。すると相手がトイレの場所を説明してくれるので、お礼を言ってその場を去ります。
言うまでもなく、トイレの場所を知ることが目的なのではなく、ネイティブスピーカーと会話をすること自体が目的です。
ほかにも、グロッサリーで商品の場所を聞いたり、道端で時間を聞いたりなどアレンジがききます。慣れてきたら、もっとキャッチボールが予想される会話を設定してチャレンジしていきます。そしてその延長線上にあるのが日常会話だと思います。
私はこの自己流トレーニングで、日常英会話のレベルアップができただけでなく、英語で話すことへの恥ずかしさ、ネイティブスピーカーに対するコンプレックスなどを克服することができました。
英語でしか話せない環境に身をおく
アメリカで長年くらしているのにも関わらず、英語があまり話せない人たちもいます。そういう人たちをよく見てみると、英語を話さなくてもなんとか生活ができる環境にいる、つまり英語が必要ない状況で生活していることが多いようです。
逆にいうなら、英語が必要な環境にみずからの身をおくことで、英語得力を伸ばすことができるということだと思います。
例えば、コミュニティセンターのクラスを取ってみたり、パートタイムで簡単な仕事からはじめてみてもいいと思います。
私は、数年前までアメリカで働くためのビザがなかったので、地域のボランティア活動に参加しました。今では、中心メンバーとして動いています。
アメリカにはコミュニティセンターや学校など、ボランティアをしようと思えばできるところがたくさんあります。
もしもこのボランティア活動に参加しなかったら、避けて通っただろうこともいっぱいあったと思いますが、責任を果たそうと、下手な英語でも人前で話したり、電話連絡をしたりという中で、英語力も英語で話すことへの自信もついたと思います。
言葉って意思を伝える道具だって言われていますが、道具なら使わなければ意味がないですよね。
たとえば、いくら本や動画でカナヅチの使い方を勉強しても、やっぱり実際に手でもって釘を打ってみなければ、カナヅチを使いこなせるようにはならないですよね。
英語も同じだと思います。そして、英語を勉強するというよりは、英語を使って何かをしようとすることが、1番効果的な勉強法じゃないかというのが、9年間の経験を通じて感じたことです。
まとめ
- テレビやラジオを使って、できるだけ英語を耳に注ぎ込む
- 日常で使う機器の言語設定を英語に切り替える
- 街角でスキット・トレーニングをしてみる
- 英語が必要な環境に身をおく
とにかく英語に触れられる、英語が必要な環境に身をおくこと、これが日常英会話をマスターする1番のショートカットだと思います。
アメリカで住むことが決まった頃、「アメリカに行けば英語が話せるようになるんだろうなぁ」なんてなんとなく考えていました。でも、実際にアメリカでの生活をはじめてみてみると、英語が話せるようになるかどうかは本人の努力次第だということが分かりました。
私よりも長くアメリカで生活しているのに英語があまり喋れない人もたくさんいます。ほとんどの場合が、母国の人と集まって、母国語ばかりで話をしている人たちです。
英語が話せるようになるためには、英語に触れる機会を積極的に作り出そうととする努力が必要不可欠なんだと思います。