あなたは前置修飾と後置修飾という言葉を聞いたことがありますか?
実は英語の修飾には名詞の前に置く前置修飾と名詞の後に置く後置修飾があるんです。
日本語はどんな形容詞でも前に置くことが出来るため、このトピックは日本人の英語学習者にとって中々難しい部分になります。
でも実はとても簡単な規則と使いこなすコツがあります。今回はそのポイントを一緒に見ていきたいと思います。
前置修飾と後置修飾
Singing boy / the boy singing on the stage
この2つの文章を見てください。どちらもboyを修飾しています。
Singing boy (歌っている少年)
The boy singing on the stage (ステージで歌っている少年)
という意味ですが、boy を修飾する“singing”と“singing on the stage”が前者は名詞の前に、後者は名詞の後に置かれています。
名詞の前に修飾語が置かれるパターンが「前置修飾」で名詞の後に修飾語が置かれるパターンが「後置修飾」です。
では、どんな時に前置修飾の形をとって、どんな時に後置修飾の形をとるのでしょうか?
基本的なルールでは「修飾語が一語なら名詞の前に」「修飾語が二語以上なら名詞の後に」です。
dog barking でなくbarking dog.(吠えている犬)ですし、barking to people dog でなくdog barking to people (人々に吠えている犬)になります。また一語の前置修飾の場合は「その人や物の日常的な性質」を表し、後置修飾の場合は「一時的な状況」を表します。
Barking dog は日頃いつも吠えている犬で
Dog barking to people はその時だけ人に向かって吠えている
というニュアンスがあります。
例外とそのニュアンス
先ほど基本的なルールは一語の時は名詞の前に置き、二語以上なら名詞の後ろに置く、と言いましたが実は一語でも名詞の後ろに置く場合があります。
その場合は意味のニュアンスが変わってきますので注意が必要です。
例えば
present people (現代人)
この基本的なパターンに対して
people present
という表現があります。これは一語なのに名詞の後ろに置かれていてイレギュラーなパターンですね。どんな意味になるのでしょうか?
後置修飾は一時的な状況を表すというルールを思い出してください。すると、people present=人・出席している・一時的に=参加者、という意味になりますね。
他にも
Document required 一時的に必要な書類
English written そのものだけ英語で書かれている
こんな言葉もあります。またこの例のように前置修飾と後置修飾は修飾語の形がing形でもen形でもed形でも使うことが出来ます。
上級編:関係代名詞と場所によって意味が変わる修飾語
これは上級者向けなのですが、関係代名詞を広義の後置修飾とする場合もあります。
関係代名詞はwho, what, which なども使って詳しい情報を付け加えることの出来る表現ですね。
I have a girlfriend who speaks Thailand.
(私にはタイ語の話せる彼女がいる)
Girlfriend という名詞をwhoより後ろの修飾語でより詳しく説明しています。これは名詞の後ろに修飾語が置かれている後置修飾ですね。
またさらに発展型で置く場所によって意味が異なってしまう修飾語についてお話ししたいと思います。
①:I only call my mother when I’m feeling bad.
②:I call only my mother when I’m feeling bad.
この2つの文章の違いは何でしょうか?onlyの場所が違うだけで文章の意味が全く違うものになります。
①の文章でonlyが修飾しているのはcallです。つまり意味は「私は具合が悪い時だけお母さんに電話する」となりますね。
②の文章でonlyが修飾しているのはmy motherです。この場合の意味は「私は具合が悪い時にお母さんだけに電話する」になります。
こんな風にどこにでも置くことの出来る副詞は置く場所によって大きく意味を変えてしまう時もありますので、覚えておいてくださいね。
まとめ
前置修飾と後置修飾について前よりもクリアになりましたか?
修飾語を置く場所によって「日常的な状態」なのか「一時的な状態」なのかが変わってくるのが多いなポイントです。
また英語には修飾語を置く場所によって意味が変わってしまうという現象も起こります。
細かいニュアンスまでしっかり伝えられるようにひとつずつ覚えていきましょう!