「naiz」――これはどんな意味のモンゴル語だと思いますか?
私はこのモンゴル語をモンゴルのゴビ砂漠へ向かう道中に出会った小さな男の子から教わりました。
今回は私のモンゴルゴビ砂漠体験をみなさんとシェアしたみたいと思います。
モンゴルゴビ砂漠体験記
私とモンゴル人の友達と、その友達の彼氏。友達の名前はゾルガー。彼氏の名前はスケです。私たち3人はモンゴルの首都ウランバートルからゴビ砂漠へと向かっていました。ひょんなところでスケが
「あ!そう言えばお兄さんと今度の家族の集まりのことを相談しなくちゃいけなかったんだ!」
と思い出したように言いました。
「じゃあお兄さんの家に寄ってからゴビ砂漠へ行こうか」と私たち。
モンゴルでは「予定」という概念はほぼないに等しく、その場その場の「なんとなく」で予定が変わるのは普通のことなのです。
車を走らせ取り敢えずスケのお兄さんの家に。お兄さんの家は郊外で特に周りに何もないため、私とゾルガーは観光客用の休憩所のような所でスケの用事が終わるのを待つことになりました。
私たちがその場に居合わせたモンゴル人と一緒にお茶を飲んでお喋りをしていると、そこに4歳くらいのモンゴル人の男の子がやってきたのです。
男の子は元気に
「サエンバエノー」
と言いました。「サエンバエノー」とはモンゴル語で「こんにちは」という意味です。
大人たちは「どこの子?」「お父さんとお母さんは?」「ツァエ(お茶)飲む?」と矢継ぎ早に質問して行きます。
「お父さんとお母さんは仕事してる」
と男の子。どうやらこの休憩所を営んでいる夫婦の子供のようでした。
ちょっと男の子と喋ると、大人たちの話題は別のところへ。私のモンゴル語の能力は全く高くないため、私はだんだんモンゴル語での会話について行けなくなってしまいました。するともう一人退屈そうな人が。そう、先ほどの男の子です。
「一緒に遊ぼうか?」
ということをジェスチャーで伝える私。男の子にもなんとか伝わったらしく
「ティーム!(うん!)」
と言ってくれました。なんとなく私たちは鬼ごっこをして遊ぶことに。私が男の子を追いかけて男の子が逃げ回ります。それが飽きると今度は隠れんぼに。お喋りが止まらない大人たちが私に
「オルロー(見つけた!)」
というモンゴル語を教えてくれました。男の子は無邪気でとても可愛かったです。
名前を聞いたのですが、私のモンゴル語の能力が低すぎて聞き取れず…。ゾルガーは日本語が話せるので通訳してもらっても良かったのですが、お喋りに夢中だったのでなんとなく聞きそびれてしまいました。
そうして男の子と遊ぶこと2時間。スケがやっと戻ってきたので私たちはゴビ砂漠へと向かいました。
ゴビ砂漠では何もない砂漠をひたすら歩いたり、ラクダに乗ったり、犬に追いかけられたり…。色んな体験をしました。
ちょうど私がゴビ砂漠へ行ったのはオフシーズンの時期だったので観光客もまばら。太ったアメリカ人観光客がラクダに乗ろうとし、あまりの重さにラクダがものすごく嫌がっていた様子を見たりしました。
やがて何もすることがなくなった私たち。話題は日本で活躍するモンゴル力士の話題へ。
「日本では朝青龍と白鵬どっちが人気があるの?」
とスケ。私たちの会話は全て英語です。
「うーん…白鵬かな…?」
当時は朝青龍が練習をサボってサッカーをして遊んでいたことが報道されたり、朝青龍の暴行事件があったりした時期だったのです。一方白鵬は大人しく礼儀正しいイメージで日本でも人気がありました。
「えー!!モンゴルでは絶対朝青龍の方が人気だよ!」
と驚くゾルガーとスケ。二人曰く「朝青龍は自由でかわいい。イケメン。相撲も強いから人気がある。白鵬は何だか真面目で無難でつまらない。ただお父さんはモンゴルでも有名人」とのことでした。
朝青龍が練習をサボってサッカーをしていた件についても2人は
「そりゃ相撲ばっかりしてたら他のスポーツしたいよね〜」
と呑気な反応。私が
「そりゃサッカーするのは構わないけど、そのことで色んな人に迷惑をかけたんだよ?」
と反論しても
「うーん…そりゃ迷惑はかけない方が良いけど、一番大事なのはその時自分がやりたいことをやることなんじゃない?」
と二人。実はモンゴル人はかなりラテン的な正確で、時間にはかなーりルーズだし、「その時楽しいのが一番」という刹那主義。迷惑はズバリお互い掛け合うもので、日本人と正反対の気質といっても過言ではないのです。
このエピソードは日本人とモンゴル人の気質を顕著に表しているようで
「なかなか面白いな〜」
と感じたエピソードでした。
あとがき
おまけですが、モンゴルで音楽番組を観ていたらとある歌手のPVに朝青龍が出演していました。
モンゴルで朝青龍は「イケメン」とみなされていて、相撲界だけでなく音楽界などにも進出しているのです。
ゴビ砂漠に、モンゴル人の友人との交流。朝青龍のエピソード。とにかく私のモンゴル体験は驚きの連続なのでした。