「微妙」をまず英語辞典で引いてみると、最初に出てきたのは「subtle」でした。
この「微妙」って、日本語で「ほんの少し」「かすかに」っていう意味ですね。
例えば
・subtle difference (微妙な違い)
というふうに使うような。
でも私たちが日常会話で使っている「微妙」って、「イマイチ」というニュアンスじゃないですか?
それに、何かをハッキリ決めたくない時に使ったり。
そんなニュアンスの「微妙」、ネイティブの人たちはどんなふうに言うのでしょうか?
早速見ていきましょう!
「うーん微妙…」曖昧に答えたい時は?
何か意見を求められた時、お誘いを受けた時…ハッキリ答えたくない時ってありますよね。
今すぐ答えを決められないとか、あんまり気が進まないんだけどハッキリNOと言えなくて、曖昧に答えを濁したい時とか。
そんな時、こんな言い方があります。
・Are you going to the party tonight?(今夜のパーティー行く?)
―I’m not sure.(微妙かなー)
・Did you like the movie?(あの映画好きだった?)
―Yes and no.(微妙〜)
「I’m not sure」は、直訳すれば「確かではない」ということですね。
お誘いを受けたパーティー、あんまり行きたくないんだけれど、ハッキリ行かないというのもなあ…なんて時に「行けるかどうか確かではない(うーん微妙)」のニュアンスで使いましょう。
「Yes and no」も良く使われます。
「はい、でもあるし、いいえでもある」。つまりどっちとも言えるということです。
この例文で言えば、その映画は良いところもあったしダメなところもあった、総じて微妙だった、ということですね。なかなか便利な文句です。
ただこの「Yes and no」は、その後に説明を求められることが多いです。
何が「Yes 」で何が「 No」なのか。
例文で言えば、この映画のどこが良くて、どこがダメだったのかですね。
また「Maybe, maybe not」も良く聞きますね〜。
「たぶんね。でもたぶんダメかもねえ。」といった感じで、
例えば
・You wanna hang out someday next week?(来週のいつか遊ぼうよ)
―Maybe, maybe not.
というと、限りなくノーに近いけど、ハッキリ断らないという感じになります。
「Maybe, maybe not」という答えが返ってきたら、90パーセント「No」という意味だと思って間違い無いでしょう(笑)。
疑わしい「微妙〜」は?
なんとなく不安な、不確かな、あやふやな…
そんな時に使われるのは「iffy」です。
「That’s iffy!」はまさに「うーん微妙!」のニュアンスですね。
・The weather looks iffy today. (今日は天気が怪しいな)
・He has an iffy reputation.(彼は評判が良く無い)
・It sounds iffy to me.(それ怪しいなあ)
といったふうに使えます。ちょっと疑ってしまうような状況・人、物事に対しての「微妙」ですね。
まとめ
日常会話における曖昧な返答としての「微妙」をご紹介しました。
- I’m not sure.
- Yes and no.
- Maybe, maybe not.
- That’s iffy!
明言を避けたい時の返答としての「微妙」、疑わしい状況や物に対しての「微妙」。
良く欧米の人はハッキリ物を言う、Noも躊躇なくズバッと言うというイメージがあり、日本人は曖昧に答えを濁すというイメージがあると聞きます。
実際、仕事ではハッキリと物事を言って進めますが、プライベートでは日本人並みに曖昧な返答を使っています。こちらの社会はあらゆる事の責任の所在にとても敏感です。
なので仕事ではそこをはっきりとさせるんですね。
逆にプライベートの人間関係では、それがたわいのない会話であったとしても、責任を避けるために(例えばパーティーに行くと言ったのに来なかった!となりたくないがために)曖昧な言葉で濁したりします。
日本での曖昧な返答は、はっきり言うのがちょっと怖いとか、悪いなと思って…という状況が多いと思いますが、欧米での曖昧な返答は、責任を避ける、ということが根底にあるように思います。
面白いですよね。同じような言葉でも、「微妙」な違いがあるようです。