韓国の食事マナーの違いに仰天!日本と違いすぎる食べ方とは?

韓国に滞在中、1人の年上の女性に出会いました。

韓国では女性同士では親しい年上の人を「お姉ちゃん」という意味の「オンニ」と呼びます。

そのオンニとまだ会って日が浅いあるとき、一緒にご飯を食べようということでレストランに行ったのですが、そこで目にした数々の食事マナーに驚きの連続!

あまりに日本と違うので、オンニの人柄を疑ってしまうほどでした。

実際は、れっきとした韓国式のマナーであることが分かり、ホッとしたのを覚えています。

今回はそんな韓国の食事マナーをご紹介します!



大皿スープはみんなのもの!?

お店に着くと、それぞれ好きなものを頼み、スープはひとつだけ頼んでシェアしましょう、ということになりました。

そして、注文分が出揃い、スープを取り分けようとしましたがお玉がありません。

オンニに「お玉がないから、店員さんに言うね」と言ったところ、

「お玉?何に使うの?」

と言って、いきなり自分のスプーンで大皿から直接スープを飲み始めたのです。

私は一瞬、

「ああ、このスープはオンニが1人で飲むために頼んだのか」

と、自分の分を取ろうとしたことを恥ずかしく思いました。

するとオンニは、

「スープおいしいよ。食べなよ!」

とスープを勧めてきます。

「これは…取り分けない、ということなのか」

と解釈して、思い切って私も大皿に自分のスプーンを突っ込みました。

それまで、家族でもスープ皿を共有したことはなかったので、心の中でかなり戸惑いました。

でも、オンニは私が食べる様子を見て満足そうだし…。

そして、周りのお客さんたちを見回すと、やはり数人のグループでも、みんなひとつの皿から各自のスプーンで食べている模様。

これが、韓国の食事マナーなのか、とようやく気付いた私。

しかし、自分から少し離れた大皿から、直接スープを口に持ってくるのはかなり難しいのです。

途中で手が揺れて、ポタポタ落ちるし、ついアゴを突き出してしまいます。

オンニの食べ方を見ていると、スープをすくったスプーンの裏側を、お皿の淵で擦り切るようにしてから口に持っていきます。

そうすると、スプーンから溢れ出た液体を最初から落とした状態で運べる、というわけです。

なるほどなぁ。

他人と一緒にスープをすすることに抵抗を持つのは、この国では野暮というものか、

と腹をくくって、私も大皿のスープを食べたのでした。

その食べ方は、昔ワルかったからじゃないよね?

しばらくすると、お座敷に座布団の席で食べていたオンニは、おもむろに片ひざを立て始めました。

立てたその膝の上に腕を置いて、ご飯を食べている状態です。

日本人からすると、「行儀が悪い」の極致!

「確か、オンニは若かりし頃、グレていたこともある、とか言ってたっけ…。」

ヤンキー時代の名残が何十年後に出てきたのか、と目のやり場に困っていた私は、またもや周りを見回してみました。

すると、男性も女性もオンニと全く同じ格好で食べているではありませんか!

これには、私も絶句でした。

「さあさあ、ここは足を崩してゆっくりしてください!」

というどこかのドラマの一場面のセリフが、ここでは通用しない!

みんな平気で崩しまくっているのだから!

まだまだある日本と違う韓国の食事マナー

日本と逆のマナーというと、韓国ではお椀などを持ち上げることもしません。

器が鉄なので、そもそも熱くて持てないのですが、みんなテーブルの上にあるご飯に顔を近づけて食べます。

日本では、お椀を口元まで持ち上げてご飯を食べるのがよしとされているので、猫背になって食べるのは、始めは抵抗がありました。

また、韓国ではスープやご飯はスプーンで、おかずはお箸で食べます。

おかずは小皿にいろいろな種類が少しずつ出てきて、どれも食べたいのですが、お皿が向こうの方にあると、取りづらいですよね。

そこでオンニに、

「すみません、そのおかずの小皿を取ってください。」

と頼みました。

すると、彼女は、

「そういう時は、こうするんだよ。」

と目当ての小皿までお箸をのばし、皿の淵にお箸を引っ掛けて、そのまま自分の方へズルズルと引っ張っていきました。

つまり、お箸で皿を動かすのです。

これは便利だ…。

この方法は自分の席にいながらにして、たいていの皿のものは食べられるので慣れると非常に便利でした。

韓国の食事は仲間意識が高まる!

オンニとの会食で、韓国の食事マナーに衝撃を受けた私でしたが、実際にやってみると意外に楽で、リラックスして食事ができることに気づきました。

このマナーを知っていると、他の場所でも発見があります。

例えば、カフェに2人で行き、各自ケーキを注文した場合。

日本では、一皿にひと切れのケーキがきますが、韓国では、一皿にふた切れが一緒に出されます。

その皿に、フォークが二つ置いてあるので、相手と同じお皿でケーキを仲良く食べる、という構図になるわけです。

また、かき氷は人数分がひと皿にドンと盛られてきます。

これも、みんなで一緒につつき合って食べていました。

まとめ

日本と大違い!韓国の食事マナー

  • 何でもひとつの皿から、みんなで直接食べる。
  • 食事中に片ひざを立ててもよい。
  • 食器は持ち上げない。
  • 遠くにあるお皿は、お箸で動かしてよい。

韓国の人たちは情が深く、一度仲良くなると、とことんよくしてくれるというのが私の印象です。

感情が豊かで、団結心が強い国民性だと感じたのには、このような食事マナーも関係しているのではないかと思います。

「同じ釜の飯を食う」の原型がここにありました。